つまずき骨折の半数は身近な自宅や職場で起こっている。
高齢者のつまずき骨折と聞いて、まだまだ先のことだと考えている人は、実は他人ごとではありません。
高齢者にとってつまずきは、骨折に直接つながり、それがもとで寝たきりになってしまうケースがおおいのですが、身近に高齢者がいらっしゃる方、実際に介護されている方、それ以外は自分が将来そうなうとは思っていないのではないでしょうか?
しかし、つまずきによる骨折で仕事を休まなくてなならなくなった。このようなことはまだまだ若い方にも十分に起こりうるのです。
しかもつまずく場所として多いのが、「住み慣れた自宅」「毎日働く職場」です。
毎日生活しているだけでどこでも「つまずく」➡「骨折」➡「入院」は起こりうるのです。
以前、NHKで放送された「明日が変わるトリセツショー」足のトリセツとして紹介されていました「フレイル対策」として大変参考になる内容でしたのでチェックしてみましょう。
高齢者がつまずきやすいのは、筋力の低下が挙げられますが、足の使い方を見ればよくわかります。

高齢者の足をよく見るとほとんどかかとだけで歩いている人がほとんどです。上のイラストでつま先部分は地面に触れている程度で力が入っていません。中には俗に言う「浮指」のような状態になっている方もおられます。そのような方は足の握力が著しく低下しています。
どれだけ歩きにくいか、どれだけフラフラするのか、少し高齢者の真似をして体感してみましょう。

どうでしょうか?とても歩けたものではないはずです。
しかし実はこれは高齢になったから起きている現象ではありません。
私たちは歩くときに「かかとで着地して足先で地面をけるように押し出して歩く」というのが正しい歩き方だと教わって育ちました。
そして、足の筋力を使って足を持ち上げて歩いています。
ですから、歩くために使われる筋肉は次のように紹介されます。

しかし、この足の使い方が実はつまずきの原因となっているのです。
ここでズームアウトしてみましょう。
現在の常識では、「足を高く上げて、足を前に出して、かかとで着地して、つま先で地面をけって歩く」というものになっています。
この筋肉を使って身体を前に運ぶという歩き方が、老化を招いているのです。
運動不足で筋力が弱る ➡ 歩くと疲れるから歩かない ➡ 歩けない、走れない身体になる ➡ つまずく ➡ 骨折
このような流れになっているのです。
しかし、本来の人類の身体の仕組みは、生涯歩いたり、走ったりできるようになってます。
特別な筋力トレーニングや体力強化などはいりません。
勿論、現代の日常生活では、仕事でも、家でも、ほとんどが座っていても生活できるようになっています。しかし、生活の中に歩く時間さえ作れば、生涯歩けなくなることはありません。
では、生涯歩ける歩き方とは
下の絵をみて真似してみましょう。
普通に立ち上がり、かかとを少し浮かせてください。

そのまま、かかとを浮かせたまま、少し足踏みをしてみましょう。
できましたか?
少しだけ、ひざが曲がっていることを意識して、さらに足踏みをしてみましょう。
では、すこし前に鼻先を前に出すつもりで歩いてみましょう。
前に倒れる感じといってもいいです。
手は、倒れないように前に出しておけば、大きく振る必要はありません。
それが、人類の本来の歩き方です。
足も、特に前に出そうと思わなくても大丈夫ですし、高く太ももを上げる必要もありません。
その場で足踏みしている気持ちで前に倒れるように体重を掛ければ前に進むはずです。
人間は、前に体重が移動すると、自然とつま先が前に出るようにできています。
つま先が上がるので、つまずきにくくなります。
これは、筋力に頼らない、非常にエネルギー効率の良い、弾性エネルギーを使った歩き方です。
これを私は「真・二足歩行」と呼んでいます。
まずは自分で試して、一緒にやって自分を真似をしてもらう。
高齢者の方に「歩き方」を教えるためには、まず自分がその歩き方を試して、ぜひ一緒に時間をとって自分の真似をしてもらうように教えることをお勧めします。
このようにやりなさい、こうすればつまずかなくなると、いくら説明をしても、決してそのようにはなりません。
目の前で、歩いて見せて、手を引いて、自分と同じ歩き方を真似してもらうという方法をとってあげてください。
理屈よりも、「実際に真似をして覚える」ことが重要なのです。
しかし、それは決してその方だけのためではありません。
結局、時間とともに、自分にも必要になってくる問題です。一生歩ける足腰になれるいい機会だと考えて、ぜひ、時間を取ってあげてください。
著書紹介

「もう腰痛にならない」は腰痛にならないための著書です。
内容は、ズバリ「歩き方を元に戻す」ことです。
人類本来の歩き方をすれば「腰痛にならない」だけではなく「生涯、自分の足で歩けるように設計されている」ということが書かれています。
現在の高齢者の歩いている姿は、ポチポチとトボトボと歩いています。それは、青信号の間に横断歩道を渡り切れないほど、そうでなくても50歳も過ぎれば「昔のように全力で走ることができる」という人が何人いるでしょうか?
動物の世界をちょっと想像してみてください。
そんな状態ではとても自然界では生きていけません。他の動物に捕食されることは当然として、自分で食べ物を探すことも獲物を捕まえることすらできません。
人類も元々はそのような過酷な環境で生きてきました。そんな人類の体が年を取ると歩くことすらままならない。走ることもできない。そのような設計なはずはありません。
ちゃんと人類の足腰も「生涯歩ける。生涯走れる」ように設計されています。
私はその歩き方を本来の二足歩行という意味で「真・二足歩行」と呼んでいます。
当然、あなたの足腰もそのような作りになっています。
「真・二足歩行」で、私も60歳を過ぎても元気に走り回れます。
私の真似をしてみましょう。
これからの超高齢化社会、自分の足で歩き、健やかな生涯を送りましょう。
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